アイガモ農法を通して伝えたい、たくさんのこと
三門農園では平成6年に農薬・化学肥料を使わない「アイガモ農法」による米づくりを開始しました。翌平成7年には地域の新住民の方々に地元の農業や食材への関心をもっていただく目的でオーナー制度を導入。オーナーご家族の皆さんには季節ごとに「田植え」「アイガモの放鳥」「稲刈り」といったアイガモ農法を実際に体験していただき、自然との触れ合いを楽しんでいただいています。

また秋の「収穫祭」では、稲刈りの後にユーカリファームでのバーベキューも開催します。自分たちで育てて収穫した新米、そして新鮮な地元野菜やアイガモの肉を皆で味わうことで、子どもたちは楽しさと命の大切さなど、多くのことを学んでくれていると感じています。またここで知り合ったママ友、パパ友同士が笑い合いながら一緒に作業をする姿は、子どもたちが普段なかなか見ることの出来ないもの。子どもたちにとって、きっと忘れられない経験となるはずです。

無農薬の田んぼに息づく多くの“命”
アイガモ農法は無農薬栽培が前提なので、田んぼの中では雑草はもちろん、ミジンコ、ヤゴ、オタマジャクシなど沢山の生き物が暮らしています。雑食のアイガモは雑草の芽や小さな虫などを食べてくれる、田んぼの掃除屋さん。さらに水面を泳ぐ時に水が撹拌されて田んぼの水が濁り、光を遮られた雑草の芽が育ちにくくなるという効果もあります。

そんな自然のままの安全な田んぼだからこそ、安心して田植えなどを体験してもらうことができます。そして子どもたちは田んぼの中で様々な生き物と出会い、大切な経験を積んでいくことができるのです。
持続可能性と食育、これからの三門農園
三門農園では近年、アイガモ農法以外に機械除草を導入した無農薬栽培の田んぼを拡大し、そこで栽培した有機米は学校給食向けに供給を始めました。
そのほか、市や農協の協力を得て安定した販路を確保したり、周辺農道の維持管理によって農地の環境保全や住民の連帯を促したりと、地域の持続可能な農業を実現するために様々な活動を行っています。

そうした中でも、地域住民の方々をはじめ都心にお住まいのご家族にも喜んでいただいているアイガモ農法のオーナー制度は、今後も継続していこうと考えています。この千葉県の中でも少なくなってしまった「自然と触れ合える時間」「食と命について考えられる場所」をいつまでも提供していくことは、大きな目標のひとつとなっています。